医療法人の社員総会

まず、大前提として“社員”総会という言葉に疑問を持たれるかも知れません。
社員というと、どうしても会社等の従業員というイメージがあるようです。

先に、医療法人における“社員”について、確認されることをお勧めします。→ 「医療法人の運営」

1)定時(社員)総会

 医療法人の場合、年間2回の社員総会があり、これを定時総会と呼びます。通常、決算月と決算の翌々月の計2回開催されます。
 それぞれ議事録を作成し、10年間保存する義務があります。
 決算月の定時総会では、

  • 翌年度の事業計画の決定
  • 翌年度のの予算の決定
  • 翌年度の借入金限度額の決定

を決議することが想定されています。
そして、決算の翌々月に開催される定時総会では、

  • 前年度決算の決定
  • 剰余(損失)金の処理
  • 役員の改選(任期満了の年のみ)

を決議することが想定されています。

 社団医療法人において、社員総会は“最高意思決定機関”です。定款にも定めてあるとおり、重要な意思決定は総会で行います。
 また、そこで決定された変更等の根拠・裏付けとして、議事録の提出が必要な場合もあります。
 厳密に決まった様式があるわけではありませんが、記載すべき内容等の要件は定められており、典型的な議案については都道府県の手引きにモデルも掲載されています。

 一方で、「提出しなければならないから」ということのみにとらわれると、実態とは異なった単なるペーパーにもなりかねません。正確な議事録は、医療法人にとってまさに歴史の1ページとなります。歴史・流れがわかる議事録を作成しましょう。

※ 議事録記載事項の例
 ア 日時、場所および出席者名
 イ 議長の定足数確認、開始宣言およびその時刻
 ウ 報告事項
 エ 議題
 オ 議長の終了宣言およびその時刻
 カ 出席社員全員の署名

臨時(社員)総会

 定時総会以外に総会を開催した場合、すべて臨時総会となります。
 この場合にも、議事録を作成しておきましょう。書き方については、定時総会の場合とまったく同じです。

医療法人の理事会

社員総会と異なり、必要に応じて随時開催していくのが理事会です。
営利法人であれば株主から任命された“経営のプロ”ということになりますが、医療法人ではそのような意識はほとんどないと思います。とはいえ、運営の主体であることには違いありません。診療と同時に経営状態にも気を配る責任があります。
定期的な開催は義務づけられてはいませんが、ある程度のペースで開催することをお勧めします。
こちらも10年間の保存義務があります。

議事録は、提出が必要なもの以外にも記録として残しておくべきです。なんとなく集まって曖昧に終わってしまうだけでは、コンプライアンス上問題があるだけでなく、もったいないと思いませんか?継続的な記録を活用できる体制を確保しましょう。