今年度は、診療報酬の改定がありました。
対応すべき点は多数ありますが、これから診療所を開設するにあたってこれだけは押さえておきたいという点について書いておきます。
管理者の要件が変わった
保健所での開設・変更時には特に指摘がないものの、保険診療においては管理者(院長)の要件が厳しくなりました。これは、管理者を変更する場合にも、すでに適用されています。
具体的には、まず何といっても
①保険医であること
その上で、臨床研修によって取扱いが異なります。令和8年4月1日時点で臨床研修を修了しているか否かが、ポイントとなります。
この時点で臨床研修が終わっていれば、「臨床研修期間を含め、病院または診療所において3年以上保険診療やその他の業務に従事した経験を持つこと」が条件となります。
一方、令和8年3月末時点で臨床研修が終わっていない方は、
「臨床研修修了後」
「3年以上保険診療に従事した経験」
が必要となります。
また、臨床研修が終わっていない「医師の場合」、従事経験は「病院に限る」とされています。歯科医師であれば病院または診療所でもカウントされますが、医師の場合は病院勤務が必須となっています。
②令和8年4月日時点で臨床研修
a.修了済み
➡臨床研修期間を含め、病院または診療所において3年以上保険診療やその他の業務に従事した経験
b.修了以前
➡臨床研修修了後、病院または診療所に3年以上保険診療に従事した経験
※医師の場合は病院に限る。
- 研修期間を含められるか否か
- 保険診療以外の業務でも認められるか保険診療に限定されるか
- 研修修了前の医師の場合、病院勤務のみ
という違いがありますので、要注意です。

「勤務」していたと言えるか
保険医としての3年従事した経験と言えるための勤務要件ですが、週4日以上勤務しており、かつ、所定労働時間が週31時間以上であることを基本とされています。
また、これを1か月単位で満たすか否かを判断するため、原則としてこれを36か月満たすことが必要です。
「その他の業務」とは
臨床研修を期限までに修了している場合、保険診療以外の「その他の業務」への従事経験であってもカウントされます。
・地域枠で入学した医師、自治医科大を卒業した医師などのキャリア形成プログラムの適用を受けている者または適用後3年以内であること。
・一般社団法人 日本専門医機構が認定する専門医の資格を持つこと、専門研修プログラムの修了後3年以内であることまたは産業医科大学の専門産業医コースⅠ若しくは専門産業医コースⅡを修了した者であること。
・医師または歯科医師としての専門知識を活用して公務員として5年以上の勤務経験があること。
・保険医としての3年の診療従事要件や医師・歯科医師である公務員としての5年の勤務経験について、転職等で複数の経験のある場合は、合計5年を超える経験があること。
また、事情を考慮されることもあります。
緊急に保険医療機関を承継するなど、やむを得ない理由のある者であること。
厚生局への申請・届出の際に、新様式の提出が追加されています。厚生局では、まずこの点が確認されますのでご注意ください。
保健所への手続きや、医療法人において必要な都道府県への役員変更届(理事への就任)の時点では特に指摘がないにもかかわらず、厚生局への手続きの段になって初めて指摘されてしまいます。
医療法務の行政手続では、同じ一つの事象に対していくつもの行政窓口への手続きが必要になります。この特性を十分に理解し、ひとつひとつ、というより事前に全体をしっかり確認した上で、順番に手続きを進める大切さがあらためて必要となります。
